星に願いを7

名前?

お星さまにお願い事をした、通行人の女の子は、個性のあるキャラクターに、なれることになった。

名前を決めないといけないな。

星の守り人のフェスは言った。

それは、そうだろ?個性あるキャラクターの名前が、通行人の女の子では、話にならん。

フェスは、通行人の女の子に、キャラクター名を、決めるように言った。

名前が持てる〜

通行人の女の子は、笑顔で喜んだ。全てのアニメやゲームの、名前の無い全てのキャラクターの憧れ、

自分の名前を持ってみたい!

考えること自体が、タブーである。

ああ、幸せ〜

自分の名前がもてる。こんなにうれしいことはない。通行人の女の子の長年の夢が叶うのである。

名前は決まったか?

なかなか決めないので、フェスはイライラしてきた。

モジモジ。

通行人の女の子は、名前は決まっているみたいだが、自分の名前を言うのが、恥ずかしくて、モジモジしている。

決めないなら、こちらで決めるぞ?おまえの名前は、ガジラだ。

通行人の女の子の頭に、

ガオ〜!

口から火を吹き、ビルを破壊している姿が、思い描かれる。

イヤです!

通行人の女の子は、即座に拒否する。そして、少し照れながら、

エルメスエルメスがいいです。

通行人の女の子は、自分の名前を、初めて自分の口から、自分の声で言った。

エルメス

通行人の女の子は、自分の名前を決めた。

どうして、その名前がいいんだ?

フェスは聞いた。

私が通行人の女の子として、町に立つている立ち位置の前に、オシャレなお店があるんです。店の外装は、高級でゴージャスな感じ、店内には、ピカピカっと光輝くバッグに、財布。お客様はファンタジー世界の、あのダイヤモンド姫を始め、各城のお姫様ばかり。ああ〜一度でいいからエルメスのスカーフを巻いてみたかった。きっと、あのスカーフさえ巻ければ、通行人のエルメススカーフを巻いた女の子として、楽しく立っていられるはず!

通行人の女の子は、楽しく、優雅に、コミカルに憧れの眼差しで踊りながら語り、最後は力強く締めた。

そんなことばかり、考えていたのか?

フェスは少し、退き気味に質問する。

はい!

通行人の女の子は、真顔で即答する。

やれやれ、その物欲の強さが、銀河まで届いたということか?

フェスは、負けたよ、という顔をして、

分かった。

通行人の女の子は、笑顔満開で、ピョンピョン飛び跳ねて喜ぶ。

やった〜今日から、私はエルメスだ!もう通行人の女の子じゃないんだ!

名も無い、通行人の女の子の夢が叶った瞬間に思えたが。

だが、その名前は、認められない。

フェスが、真顔で言った。

え!?

通行人の女の子は、フェスが何を言っているのか、理解できなかった。時間が止まったかのように、動けず固まってしまった。

おまえの名前は、エロメスだ!

通行人の女の子は、自分の名前をエルメスと決めたのに、

だが、その名前は、認められない。

星の守り人のフェスに、認めてもらえなかった。

どうしてですか?

通行人の女の子は、フェスに必死に食って掛かる。フェスは理由を語り始める。

他の作品でも、エルメスヒルメスなどの、使用実績はあるので、権利問題は問題ないだろうから、私も、どうのこうの言うつもりはない。無名素人の作品に、苦情を言うような、大人げないことはしないだろう。

フェスは、権利問題ではないという。

なら、どうして?

通行人の女の子は問う。

おまえの夢は個性のあるキャラクターになることだったはずだ!エルメスという、キャラクター名に、個性もなければ、オリジナリティーも無い、同じ名前のキャラクターが多すぎる。どこにでもいるような、キャラクターは、すぐに消えるぞ!

ドンガラガッシャン!

通行人の女の子は、フェスの厳しい言葉に雷に打たれた。

個性が無い、オリジナリティーも無い、すぐに消える。せっかくキャラクターに昇格したのに。

通行人の女の子は、ショックを受けて、地面に両手両膝をついている。

私が、おまえの意向をできるだけ取り入れた、素敵な名前を考えてやろう。

ガジラは嫌ですよ。

通行人の女の子は、前歴のある、フェスを牽制する。

エルメス、エロ、エロメス!そうだ!エロメスにしよう!お前の名前は、エロメスだ!これならヒットは確実だ!ハハハハハッ!

フェスは、自画自賛で笑顔で自分の才能に酔っていた。

イヤです。

通行人の女の子は、エロメスという名前になった。エロメスの声は、フェスには届かなかった。

つづく。

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